アジャイル・アット・スケール

アジャイル・アット・スケールとは? アジャイル・アット・スケールは、組織を硬直的なものからレジリエンス（回復力）の高いものへと変える働き方、そして考え方です。それは他のモデルよりも協働志向でオープン、クリエイティブ、そして効率的です。しかし、全社的なアジリティ（俊敏さ）を実装できている企業はほとんどありません。

その理由は簡単です。 デジタルトランスフォーメーションと同様に、アジャイル・アット・スケールを実現するためには、企業はオペレーションモデル全体に取り組む必要があります。変革を受け入れなくてはなりません。そして、このアジャイル・トランスフォーメーションを、トップ層から完全に、かつ目に見える形でサポートしなければなりません。

それは容易なことではありません。しかし、現在はこれまで以上に、全社的な俊敏性を組織とカルチャー全体により深く拡大展開することが必要です。適切なアジャイル・アット・スケールのフレームワークがあれば、これを実現できます。

アジャイルをパイロットや散発的な取り組みから発展させるには、プロセス、慣行、そして考え方にも深い変革が求められます。また、注意深くタイミングを選び調整することも必要です。私たちはアジャイル・アット・スケールのあらゆる段階で、クライアントと協働します。

• 出発点を把握する。私たちのカスタマイズしたアプローチは、組織の現在の立ち位置を理解することから始まります。アジャイル成熟度評価、Ready・ Willing・Able（RWA、準備・意欲・能力）ツールなど、BCG独自のツールを活用して、組織能力、コンピテンシー、変化への意欲を測定し、業界トップクラスの同業他社と比較したベンチマークを行います。クライアントの全社的アジリティへの準備状態を把握することで、クライアント固有の環境に適した提言と戦略を策定できます。
• 組織能力を構築する。全社的アジリティの実現には、行動を変え、影響をおよぼすための触媒が必要です。私たちは、組織のあらゆる階層にリソースとサポートを提供します。これには、アジャイルな行動を学ぶワークショップ、上級幹部向け没入セッション、アジャイルチームメンバー向けコーチング、シミュレーション、メンタリングが含まれます。また、チェンジマネジメントとコミュニケーションの戦術も提供します。
• アジャイルのパイロットを設定し実行する。アジャイル・アット・スケールがうまく実行されれば、価値だけでなく、この新しい働き方を拡大展開する助けとなる学びも得られます。私たちはクライアント組織と協働して、目に見える適切なパイロットを選択し、アジャイルプロセスを確立し、結果を測定します。そして、価値の提供、スクアッドのパフォーマンス、欠陥、取り組みの進捗状況を追跡するダッシュボードを構築します。
• オペレーションモデルを適応させる。学びをオペレーションモデルに組み込んで、手法の微調整を行い、アジャイル・トランスフォーメーションのステージを設定します。さまざまな機能にわたる責任を詳細に説明した3,000を超える役割のデータベースを基に、役割と責任がどのように変化するかを定義します。ガバナンス、カルチャー、リーダーシップと人材、テクノロジー面のイネーブラーなど、オペレーションモデルのあらゆる要素に取り組みます。私たちは、あらゆる行動が戦略的目標に直接結びつくようにする「Unbroken Chain of Why（途切れない「なぜ」の連鎖）」を埋め込み、ビジョンから実行までのシームレスなつながりをつくりあげるお手伝いをします。そして、クライアントと協働して変革についてコミュニケーションを行い、アジャイルを大規模に展開する際の曖昧さや緊張感を低下させます。
• アジャイルプレイブックを構築する。アジャイルな組織への変革は一朝一夕には行えません。最初のプロジェクトを基に、クライアントのコンテクストとカルチャーに合わせてベストプラクティスをカスタマイズし、継続的なコーチングやワークショップ、パルスチェックを実行できるようにして、全社的アジリティのロードマップ、そして持続可能な変革への道筋を策定します。

BCGのアジャイル・アット・スケール領域のコンサルタントと業界エキスパートは、クライアントと協働してオペレーションモデルとカルチャーを再考し、アジャイル・トランスフォーメーションを採り入れています。