ブロックチェーン

ブロックチェーンは強力で多用途なエマージングテクノロジーであり、その期待に応え始めたばかりです。暗号通貨での使用でよく知られているブロックチェーンは、信頼性を高め、取引コストを削減する分散型データベースであり、組織の運営方法を変える可能性があります。すでに、サプライチェーンにおける物品の追跡、通関手続きの自動化、金融取引の円滑化など、民間企業や公的機関のさまざまな用途で利用されています。そして、さらに多くの用途でも開発が待たれています。

組織の課題には3つの要素があります。①テクノロジーを理解する、②どのようにブロックチェーンを形作り価値を生み出すかを決定する、③後続の道筋に資金を提供するために早期に価値を獲得するアプローチを開発する、です。

仲介者を取り除き、プロセスを自動化し、データの共有における信頼と透明性をつくり出すことで、ブロックチェーンは価値を解き放ちます。その価値を獲得するには、ビジネスモデル・イノベーション、オペレーションの効率性、リスクマネジメント、社会へのプラスの効果が必要です。可能性は無限にありますが、それを獲得するにはいくつかの重要な問いに答える必要があります。

• 独自のブロックチェーンのソリューションを創出すべきか、それとも、既存のソリューションやプレーヤーと協働すべきか。
• 独自のソリューションを構築する場合、成功するには、他の参加者のエコシステムが必要になるか。その場合、どうしたら十分な価値が共有され、どの参加者にとってもこの取り組み自体からその先の道筋の資金を調達できるようになるか。
• どのようにソリューションを構築して、市場投入するか。具体的には：どのようなテクノロジースタックが必要か。規模を創出するために、どの機能がきわめて重要か。どのようなgo-to-market戦略をとるか。

これらは簡単な問いではありません。テクノロジー自体が複雑で、事業セクターとパブリックセクターの多くのリーダーにとって未知の領域であれば、特にそうです。

BCGと、BCG傘下の専門組織であるBCG PlatinionとBCG Digital Venturesは、組織がこれらの問いに答えられるよう支援するだけでなく、道筋全体を通じてサポートします。私たちは、実績ある独自の4段階のプロセスを通じてその道筋を支援します。

1. ブロックチェーン・ワークショップ 私たちは多くの場合、ブロックチェーン関連のプロジェクト立ち上げに際し、上級リーダーと業界エキスパートがともに参加するワークショップを行います。参加者は、ブロックチェーン・テクノロジーとは何か、そして、関連するケーススタディを通じて、どんなところで役に立つかを学びます。私たちとクライアントはともに、クライアントの業界の機会と、その業界に関連する考慮すべき事項の特定に着手します。
2. イノベーション・スプリント 参加者は、最も有望な機会とブロックチェーン戦略に取り組む最善の方法についてさらに詳しく探求します。私たちは、クライアント組織が事業の価値、リスク、難易度に基づき、可能性の高いユースケースを特定し、優先順位づけし、評価するお手伝いをします。また、さまざまな実行アプローチも評価します（社内体制の構築、サードパーティ・ソリューションの活用、既存のコンソーシアムへの参加など）。戦略チームと事業部門リーダーが協働して、主要ユースケースのそれぞれについて経済モデルと実行計画を作成します。
3. ブロックチェーンの概念実証(PoC)の開発 第3段階では、ブロックチェーンベースのアプローチの実行可能性をテストし、実証します。私たちは、組織が選択したユースケースに最適な実行プラットフォームとアーキテクチャを特定し評価するお手伝いをします。事業部門リーダーが、ブロックチェーンの概念を開発し、市場適合性、顧客の受け入れ可能性、競争に生き残る可能性をテストします。チームは、初期の顧客テストと市場調査とを組み合わせ、素早く反復して、迅速にソリューションを構築し、パイロットを行います。
4. ブロックチェーンの商業化 私たちは事業部門リーダーと協働して、ブロックチェーンのソリューション、詳細な実行戦略とエコシステム開発戦略、展開の実行計画とスケジュールを開発します。ソリューションは包括的ですが、MVP(実用最小限の製品）版であり、迅速に展開し、テストし、調整することを目指しています。私たちはまた、ソリューションが組織の全体的なイノベーション戦略に適合するように調整し、堅固なgo-to-market組織能力を提供し、顧客のオンボーディングとプライシングを支援します。