レベニューグロース・マネジメント

Eコマースや直販へのシフトを含む価格変動やチャネル破壊などの力に押されて、一般消費財企業の収益性が低下しています。BCGは、一般消費財企業がレベニューマネジメント・アプローチの変革により反撃できるよう支援します。

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非常に競争が激しい市場では、消費財のプロフィットプールの20%~40%を失うリスクがあります。 消費財(CPG) 日用消費財(FMCG)業界の多くの企業は、トップラインとボトムラインを強化するため、レベニューグロース・マネジメントを導入し始めています。こうした企業はまた、ネットレベニューを増加させるために必要な組織能力を自社で構築するよう尽力しています。

では、レベニューグロース・マネジメントとは何でしょうか。レベニューグロース・マネジメント(別名、ネットレベニュー・マネジメント)は、単なるプライシング・プログラムの一つではありません。むしろ、これはネットレベニューを管理する非常に賢明な方法で、 オペレーションや生産の資金を賄うために欠かせないものです。レベニューグロース・マネジメントの成功は、包括的でCPG/FMCGに特有のアプローチをとるか否かにかかっています。

レベニューグロース・マネジメントへのBCGのアプローチ

BCGのレベニューグロース・マネジメントへのアプローチは独特かつ包括的です。これにより、クライアントは次のような問いに答えることで、価値ある機会を発見できるようになります。自社の顧客は誰か。顧客の購買行動の中で、自社のブランドはどのような役割を果たすか。自社と自社の取引相手である小売企業は、どうしたら創出された価値から得られる利益や便益を最大化できるか。

BCGのフレームワークは以下の3つの主要要素を軸としています。

  • 戦略。私たちは、クライアントの適切なネットレベニューマネジメント戦略策定の支援から始めます。これには、市場ごとにレベニューグロース・マネジメント施策をカスタマイズして実行するためのニーズを反映させます。BCGのレベニューマネジメント領域のコンサルタントは、現地市場の専門知識を活用して、多様な市場向けにこうした戦略をつくり出します。
  • 手段。私たちは、5つの手段を組み合わせて展開し、クライアントのネットレベニューマネジメント戦略を、迅速に業績を改善し新たな価値を解き放つ施策に落とし込みます。
  • イネーブラー。BCGのレベニューマネジメント領域のコンサルタントは、ネットレベニューマネジメントにおけるクライアントの成功に寄与する要因のうち、意思決定支援ツールが占める割合は10%しかないことを理解しています。残りの90%は、カギとなる組織能力の強化に起因しています。このため私たちは、一般消費財や日用消費財におけるネットレベニューマネジメントに対するアプローチを、継続的な成功のために重要なレベニューマネジメント組織能力を構築するための5つのイネーブラーによって強化しています。
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レベニューグロース・マネジメントでクライアントがBCGを選ぶ理由

BCGのネットレベニューマネジメントのコンサルティングチームは、クライアントと緊密に協働し、新たな手法やツールを設計して導入し、迅速にレベニューグロース・マネジメントの施策を展開して、最終収益に成果を出します。また、あらゆるプロジェクトの初日から、クライアントが長期的にネットレベニューを最大化するために欠かせない組織能力の構築に注力します。

これを達成するためにBCGは、深い業界知識と比類のないデータアナリティクス能力を基に、それぞれのプロジェクトを支援します。日用消費財や一般消費財におけるBCGのネットレベニューマネジメントの能力には、 デジタルテクノロジー、アドバンスト・アナリティクス、 AIなど、BCG内の専門能力が含まれます。BCGのテクノロジー、デジタル、デザインの専門家集団である BCG Xの主導による Growth AI POIの2023年企業プランニングベンダー・パノラマレポートで受賞)などのサービスは、過去のデータや消費者インサイトと、世界有数の機械学習のアルゴリズムを組み合わせたものです。

レベニューグロース・マネジメントにおけるBCGのクライアント支援事例

食品・飲料のグローバル企業 食品・飲料業界のある大手企業は、レベニューグロース・マネジメントの組織能力を強化したいと考えていました。私たちは、この企業がブランド・ポートフォリオ・プライシング、パック価格体系、積極的なミックスマネジメント、プロモーション・マネジメント、取引条件マネジメントの5つの価値創出の施策にわたり、段階的なプログラムを導入するお手伝いをしました。BCGのレベニューマネジメントのコンサルティングチームは、クライアントのチームが自らアナリティクスを実行する方法を習得できるよう支援しました。このプログラムを導入した結果、収益性をともなう売上成長率が3ケタに達しました。また、国・市場別に差別化された、再使用可能なレベニューマネジメント・プレーブックも成文化できました。
食品・飲料企業 ある世界トップクラスの食品・飲料企業は、主要小売企業との協働によるAIを活用した両社の価値向上など、次世代のレベニューグロース・マネジメント・ソリューションを展開することにより、新たな価値を解き放ちたいと考えていました。BCGのレベニューマネジメントのコンサルタントが、クライアントがAI駆動型のアナリティカル・エンジンを導入するお手伝いをしました。これは、自動化されたプロモーション・レコメンデーションと、各企業の戦略および事業上の制約に合わせてカスタマイズされたカレンダーを備えていました。緊密な協働とデータ共有に加えて、熟練したチェンジマネジメント(パートナーシップに必要な新しい働き方に関するトレーニングなど)により、カテゴリーの小売売上高が3%~5%増加し、利益率が300ベーシスポイント向上するなど優れた成果が得られました。

レベニューグロース・マネジメントを次のレベルに引き上げる

私たちは、BCGのレベニューグロース・マネジメントの中核的アプローチを、次世代の組織能力で増強します。たとえば、 AIとアドバンスト・ データ&アナリティクスの高度活用を通じてクライアントの意思決定支援ツールの開発を支援し、現場チームがネットレベニューのきわめて困難な課題に対処できるようにします。

ネットレベニュー・マネジメントに長けた消費財企業は、ネットレベニューの課題や機会を単に特定するだけの状態から、それらを予測して措置を講じる段階へと移行できます。AIの能力やマシンの自律性が増大するにつれて、人の手による介入の必要性が低下して、効率性や効果が高まっていきます。

Book

「Game Changer」BCGの戦略的プライシングに関する新書籍

プライシングの意思決定に新たな観点で取り組むべき時です。「Game Changer: How Strategic Pricing Shapes Businesses, Markets, and Society」は、現在のプライシングモデルの欠陥をあぶりだすだけではなく、適切なプライシング戦略によって、いかに事業や業界の軌道、ひいては社会までも変えることができるかについて解説します。

消費財・日用消費財のネットレベニューマネジメントに関するBCGの最近の論考など

レベニューマネジメント エキスパート

Managing Director & Partner、マーケティング・営業・プライシンググループ 日本リーダー

阿川 大
Dai Agawa

Managing Director & Senior Partner
東京オフィス

Managing Director & Partner

中川 正洋
Masahiro Nakagawa

Managing Director & Partner
東京オフィス

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