Most Innovative Companies Promo Rectangle

イノベーション企業ランキングトップ50を発表~BCGイノベーション調査2022

気候変動・サステナビリティ領域でのイノベーションの準備が整っている企業は5社中1社

印刷用のPDFはこちら

【参考資料】

(本資料は、2022年9月15日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ボストン発、2022年9月15日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、イノベーションに関するレポートの最新版、「Most Innovative Companies 2022: Are You Ready for Green Growth?」(以下、レポート)を発表しました。16回目となる今回の調査では、イノベーションにおける気候変動・サステナビリティ領域の重要性を調査項目に加えました。

最もイノベーションに優れた企業: イノベーション企業ランキング 50社

レポートには、イノベーションに関わる経営層1,500名以上へのアンケート調査の結果やTSR(株主総利回り)などを基に、イノベーションに優れた企業を選出した「イノベーション企業ランキング トップ50」を掲載しています。日本企業は、ソニー(9位)、トヨタ自動車(21位)、日立製作所(39位)、パナソニック(46位)、三菱商事(48位)の計5社がランクインしています。
ランキング全体の傾向を見ると、今年はゼネラル・モーターズ(42位)とフォード・モーター(43位)が返り咲き、テスラ(5位)とトヨタ自動車が順位を維持するなど、自動車産業の回復が見られます。背景には後述する気候変動・サステナビリティ領域への取り組みがあります。

3分の2の企業が気候変動・サステナビリティ領域を優先事項に位置づけている

今年のランキングに見られる企業は、気候変動・サステナビリティ領域でのイノベーションにすでに先進的に取り組んでいたり、環境・社会・ガバナンス(ESG)の視点をいち早く取り入れ、排出量ネットゼロへのコミットメントを掲げていたりする傾向があります。前述した自動車産業は、気候変動・サステナビリティを優先事項として位置づけている企業の割合が2番目に多く、これは電気自動車(EV)や自動運転車に対する積極的な取り組みを反映していると考えられます。

調査対象企業の3分の2が気候変動・サステナビリティを企業の優先事項の上位3項目に位置づけており、半数以上がイノベーションと気候変動・サステナビリティの両方を優先事項の上位3項目に掲げています。しかしその一方、気候変動・サステナビリティという優先事項をイノベーションの中枢に組み込み、求められるケイパビリティを構築し、製品やプロセス、ビジネスモデルのイノベーションを実現するための開発準備を整えている企業、すなわち「準備ができている企業」は5社中1社にすぎないことがわかりました(注1)。

温室効果ガス排出量の多い産業は、ディープテックによる解決策を目指す傾向が高い

気候変動・サステナビリティ領域を優先している企業の割合は、産業別でみると耐久財(85%)、自動車(78%)、エネルギー(77%)と、温室効果ガス(GHG)排出量の多い産業で高いことが明らかになっています。また、GHG排出量の多い企業は少ない企業に比べて、脱炭素化に向けて高度なテクノロジー(ディープテック)による解決策を目指す傾向が20%高いこともわかりました。

BCGシカゴ・オフィスのマネージング・ディレクター&パートナーで、レポートの共著者であるジャスティン・マンリーは、「多くの企業がサステナビリティについて語り、ネットゼロを宣言している一方、気候変動・サステナビリティ領域の優先事項を自社のイノベーションのエンジンに組み込んで具体的な成果を上げている企業はほとんどありません。同時に、投資家、規制当局、顧客、株主は、大企業とそのCEOに対し、地球温暖化対策が本当に進歩するようリードすることを求めています」とコメントしています。

(注1)BCGのベンチマークツール、i2i(innovation-to-impact)スコアにより評価。100点満点中、81点以上の企業を「準備ができている企業」とした。

■ 調査レポート

Most Innovative Companies 2022: Are You Ready for Green Growth?

■ 調査概要

世界各国の広範な業種の経営幹部を対象に、イノベーションに優れた企業や自社のイノベーションへの取り組みについて訊ねた調査。BCGが初めてこの調査を実施したのは2004年、以降16回目の調査となる今回は1,500名以上から回答を得ている。調査は2021年12月と、2022年12月に実施した。
ランキングの作成にあたっては、企業のパフォーマンスを以下の4つの項目で評価し、スコアの平均を取った。

1) 全回答者からの得票数
2) 自社の業界からの得票数
3) 異業種からの得票の多様性指数(ハーフィンダール・ハーシュマン指数)
4) 2018年12月31日から2021年12月31日までの3年間のTSR(株主総利回り、自社株買いを含む)

■ 日本における担当者

平谷 悠美 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGコーポレート・ファイナンス&ストラテジー・グループの日本共同リーダー。ヘルスケアグループのコアメンバー。一橋大学社会学部卒業、同大学大学院社会学研究科修了、ハーバード大学経営学修士(MBA)。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。