行動の変化を伴う環境意識が最も高いのは10代 学校教育やSNSが影響
2023年3月14日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、日本全国の15歳から69歳までの消費者を対象に実施した「サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査」の最新の調査結果を公表しました。本調査は、環境問題をはじめとしたサステナブルな社会の実現に関する消費者意識の変化を長期にわたり定点観測することを目的として2021年2月に開始し、今回が6回目の実施となります。
環境負荷の低い商品の購入に踏み出せない理由は「情報不足」が52%
「環境負荷をかけない商品を購入したい」と回答した消費者は全体の68%、そのうち、「環境負荷の少ない商品を普段から購入している」と回答したのは約半分の32%、「購入していない」と回答したのは37%でした。後者のうち「環境負荷の少ない商品に対する購入意欲はあるが、行動に踏み出せていない」層にその理由を聞いたところ、最も多い理由は「どんな商品が環境負荷が低いのかよくわからない」の52%、次いで「価格が高いことが多い」が31%でした。行動に踏み出せていない層を環境に配慮した購買につなげるためには、適切な情報提供が効果的であると考えられます(図表1)。
環境意識が最も高いのは10代 学校教育やYouTubeなどを通じた情報収集手法に特徴
今回から新たに15歳~19歳を対象に加えて調査を行ったところ、「『地球温暖化/気候変動問題』を知り、行動を変えた」と回答した10代後半の消費者は23%に上り、年代別で最も高い結果となりました(図表2)。また、10代の情報収集手法について、「テレビ」や「ニュースサイト・ニュースアプリ」と回答した割合は20代・30代と大差ないものの、「学校の授業」が33%、「YouTube」が15%と、他の年代とは異なる傾向があることが明らかになり、この違いが10代と20代・30代の環境意識の差を生み出す要因の1つと考えられます(図表3)。
■ 調査資料
「サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査結果」
環境問題をはじめとしたサステナブルな社会の実現に関する消費者意識の変化を定点的かつ長期的に観測する調査。態度変容の兆しやフックとなる情報・事象の把握、購買行動変化の兆しをつかむことを目的とし、2021年2月から調査を実施。
過去の調査結果は
■ 調査概要
日本全国の15歳~69歳の男女を対象にインターネットで実施。人口動態に応じ、ウエイトバックして集計。2023年1月13日(金)~1月16日(月)に実施。n=3,300。
過去の調査
● 第1回:2021年2月5日(金)~7日(日)n=10,000
● 第2回:2021年4月13日(火)~15日(木)n=3,000
● 第3回:2021年7月9日(金)~11日(日)n=3,000
● 第4回:2021年12月6日(月)~8日(水)n=3,000
● 第5回: 2022年4月27日(水)~28日(木)日本/10カ国比較、各国n=1,000以上
※対象は、第1回18歳~69歳、第2回~4回20歳~69歳、第5回16歳~69歳の男女
■ 担当者
BCG気候変動・サステナビリティグループ、パブリックセクターグループの日本リーダー。BCGハイテク・メディア・通信グループ、社会貢献グループ、および組織・人材グループのコアメンバー。
慶應義塾大学経済学部卒業。国際協力銀行、欧州系コンサルティングファームを経て現在に至る。
伊原 彩乃 プロジェクトリーダー
BCG気候変動・サステナビリティグループ、パブリックセクターグループのコアメンバー。カーボンニュートラル・気候変動領域のエキスパート。
東京大学工学部卒業。BCGに入社後、コンサルティングや人材育成、マーケティングに従事。その後BCGに再入社。
■本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 井上・小川
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail:
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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。