決済事業者にとって、コロナ危機は変革を加速する機会に
【参考資料】
(本資料は、2020年10月5日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)
ボストン発、2020年10月5日 ――経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、SWIFT(国際銀行間通信協会)との共同レポート、グローバルペイメント・レポートの2020年版「Global Payments 2020:Fast Forward into the Future」(以下、レポート)を発表しました。BCGでは毎年世界の決済市場についての調査を行っており、今回が18回目となります。マクロ経済データや公表財務データ、SWIFTのデータなどをベースに、決済市場の動向を分析しています。
2019年の世界決済市場のレベニュープールは約1.5兆ドルに
世界の決済市場のレベニュープール(市場規模)は2014年から2019 年までの期間、年平均成長率(CAGR)7.3%で成長し、2019年には約1.5兆ドルとなったと推計されます。レポートでは、新型コロナウイルス危機からの回復の軌道について3つのシナリオを策定し、シナリオごとに今後の市場規模を予測しました。もっとも迅速に回復するシナリオでも、2019年から2024年にかけての年平均成長率は4.4%とこれまでの5年間より低く見積もっていますが、それでも2024年には1.8兆ドル規模に上ると推測されます(図表1、2)。
2024年から2029年までの間は、経済拡大と決済インフラの進展、eコマースの成長等により、市場は堅調に拡大すると予測しています。
コロナ危機は消費者行動や企業の取引の形を変化させています。非接触決済へのシフト、デジタルウォレットの利用増加、B2B決済の自動化の拡大といったトレンドは、中期的に決済業界の将来性を高める可能性があります。BCGが行った調査では、現金利用率が高かった日本やドイツ、イタリアでも、2020年5月~6月にかけて現金の利用が30%以上減少したことが分かりました。
「コロナ危機が、通常であれば10年かかるような変化を実現しました。優れた事業者にとっては、他社を凌駕する機会となります。いますぐに断固とした行動をとる必要があります」と、レポートの共著者でBCGパリ・オフィスのマネージング・ディレクター&パートナー、Yann Sénantは述べています。
個人向け決済ビジネスでは、オンラインで顧客との接点を持つ必要
個人向け決済のビジネスにおいては、顧客や企業がコロナ危機の影響による財務上の問題を抱えているため、カード等の発行体(イシュア)と加盟店契約会社(アクワイアラ)双方の、延滞や支払取消の発生可能性が高くなっています。加盟店側でも、実店舗に顧客を呼び戻すと同時に、オンラインで顧客との接点を確保し、もっともアピールできるプロモーションを見きわめる必要があります。
法人向け決済の領域では、コロナ危機が、国内外の決済やキャッシュマネジメント、貿易金融、運転資金管理といった法人向け決済の一連のサービスのデジタル化を加速させる可能性があります。法人向け決済事業者と銀行は顧客の喫緊の課題に注力することで包括的な危機管理ソリューションの一翼を担い、長期的視点で重要である顧客とのリレーションを強化する機会にできます。
レポートでは、業界をリードするために、下記の5つの優先事項に対応するべきだと指摘しています。
■ 調査レポート
「Global Payments 2020:Fast Forward into the Future」
■ 調査概要
世界各国・各国際機関のマクロ経済データ、企業・金融機関の公表財務データをベースに、SWIFT(国際銀行間通信協会)の独自データも活用し、決済市場の現在と今後を展望する調査。世界約60カ国について、決済市場の市場規模やダイナミクスを分析するモデルであるグローバルペイメント・モデルを構築し、エキスパートへのインタビューも行っている。
■ 日本における担当者
平野 聡久 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGテクノロジーアドバンテッジ・グループの日本リーダー。金融グループ、保険グループのコアメンバー。東京大学法学部卒業、ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。日本銀行を経て現在に至る。BCGパリ・オフィス勤務の経験もある。
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・嶋津・福井
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com
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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。