コロナ危機の影響により、業種間のパフォーマンスの差が拡大
【参考資料】
(本資料は、2021年5月7日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は5月7日、企業価値創造に優れた大型企業のランキングの最新版を発表しました(「2021 Value Creators Rankings」)。同資料には、2016~2020年の年平均TSR(株主総利回り)に基づく大型企業のランキングなどが掲載されています。これは、2,400社以上の調査対象企業のうち、2020年末時点での時価総額上位200社を対象としたランキングです。
全調査対象企業の2016~2020年の年平均TSRは前回を上回る
2020年はコロナ危機に直面した年であったにも関わらず、全調査対象企業約2,400社の2016~2020年の5年間の年平均TSRの中央値は10.3%と、前回(2015~2019年、9.6%)を上回り、長期的な資本市場の好調トレンドに沿う形となりました。
今回の大型企業ランキングでは、1位にECプラットフォームを手掛けるShopify、2位に半導体のAdvanced Micro Devicesが入るなど、北米企業が上位5位までを占めました(図表1)。
全調査企業の上位100社の内訳でも、北米企業が41社と前回(29社)から大幅に増加し、アジア太平洋地域の企業(前回42社、今回31社)を上回りました。
調査対象の33業種につき、5年間の年平均TSRの業種別中央値を算出したところ、上位には、テクノロジー、メディカルテクノロジー、金融インフラ、環境・再生エネルギーなど、テクノロジーと関連の深い業種が多く含まれていました。また、機械、メディア・出版、医療サービスなど、伝統的ビジネスでありながら、近年、テクノロジーの導入やデジタル化が進んだ業種も上位となりました。
2020年は業種間のパフォーマンスの差が大きく広がった
今回、業種間のパフォーマンスの差はさらに拡大しました。たとえば、テクノロジー業界の企業が高いパフォーマンスをあげた一方、観光・旅行業界や石油業界の企業は、コロナ危機の影響を大きく受けました(図表2)。
■ 調査資料
「The 2021 Value Creators Rankings」
■ 調査概要
TSR(トータル・シェアホルダー・リターン、株主総利回り)とは、企業価値創造の測定指標です。ある一定期間における配当と株価の値上がりの総利回りで、株主にとっての投資収益性を示します。本調査ではグローバルで33業種の2,410社を対象に2016~2020年の5年間における年平均TSRを分析しました。BCGでは、同種の調査を1999年より継続して行っており、今回が23回目の調査となります。
■ 日本における担当者
平谷 悠美 マネージング・ディレクター&パートナー
BCGコーポレートファイナンス&ストラテジーグループの日本共同リーダー。ヘルスケアグループのコアメンバー。一橋大学社会学部卒業、同大学大学院社会学研究科修了、ハーバード大学経営学修士(MBA)。
栗原 勝芳 マネージング・ディレクター&パートナー
BCGコーポレートファイナンス&ストラテジーグループの日本共同リーダー。金融グループ、および保険グループのコアメンバー。東京大学経済学部卒業。株式会社大和証券グループ本社、外資系コンサルティングファームを経て現在に至る。
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・嶋津・福井
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com
BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。
BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。
日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。