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フィンテック関連の市場規模は2030年までに1兆5,000億ドルに成長すると予測~BCG、QEDインベスターズ共同調査

アジア太平洋地域が2030年までに米国を抜き、世界最大のフィンテック市場になる

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【参考資料】

(本資料は、2023年5月3日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ニューヨーク発、2023年5月3日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、米国のベンチャーキャピタルQEDインベスターズとの共同レポート「Global Fintech 2023: Reimagining the Future of Finance」(以下、レポート)を発表しました。世界のフィンテック市場の今後の見通しを包括的に紹介し、最新のトレンドとビジネスチャンスについて解説しています。

金融サービス産業の収益規模に占めるフィンテック関連の割合は、2030年までに最大7%まで成長

レポートでは、フィンテック関連の市場規模は2021年の2,450億ドルから、2030年までに1兆5,000億ドルへと6倍に成長すると予測しています(図表1)。現在、世界の金融サービス産業(銀行[注1]・保険)の収益規模12兆5,000億ドルのうちフィンテック関連の収益が占める割合は2%程度ですが、この割合は最大7%まで拡大すると推定されます。なかでも銀行向けフィンテック関連の企業価値は、2030年までに、世界の全銀行の企業価値総額の約25%を占めると予想されています。

2030年までにアジア太平洋地域が世界最大のフィンテック市場に 新興国が成長を牽引

また、アジア太平洋地域におけるフィンテック市場は、2030年までに年平均成長率(CAGR)27%で成長し、米国をしのぐ世界最大の市場になると予測しています(図表2)。この成長は、中国、インド、インドネシアなどの新興国が牽引すると考えられます。背景として、世界最大規模のフィンテック企業を擁していること、クレジットカードを持っていない人々の数が膨大であること、中小企業が多数存在していること、テクノロジーに精通した若年層・中間層が増加していることなどが挙げられます。現在、世界最大の金融サービス産業を有する北米は今後も重要なフィンテック市場であり続け、イノベーションのハブとして機能する見通しです。北米における市場規模は2030年までに2021年の4倍の5,200億ドルに拡大すると予測しています。米国におけるフィンテック市場は2030年までに年平均成長率17%で成長し、世界のフィンテック領域の収益成長の32%を占める見込みです。

「B2B2X」と「B2b」が次世代フィンテックの成長をリードする

初期のフィンテックは、決済分野を中心に発展してきました。決済分野は2000年以降のフィンテック企業の累計資金調達金額(1,200億ドル)の約25%を占めています。レポートではこれに対し、次世代のフィンテックはB2B2XとB2b(中小企業向けのサービス)の分野がリードすると指摘しています。B2B2Xは、B2B2C(他社の個人顧客に対するサービス提供支援)、B2B2B(他社の顧客企業に対するサービス提供支援)、および金融インフラプレーヤーで構成されています。B2B2X市場はエンベデッドファイナンス(組み込み型金融)と金融インフラの成長に支えられ、2030年までに年平均成長率25%で拡大し、市場規模は4,400億ドルに達すると予想されます。B2b市場は、信用不足が課題となっている、もしくは充実したサービスを享受できない中小企業に対してソリューションを提供することで、2030年までに年平均成長率32%で拡大し、市場規模は2,850億ドルに達すると考えられます。

ネオバンクなどの事業は課題もあるが、新興国において金融アクセスの拡大に重要な役割を果たす

先進国市場において普及している新形態事業(ネオバンク[注2]、レンディングプラットフォーム、モーゲージレンダー[注3]など)は、収益性とスケールの両立に課題を抱えています。今後は他行と連携するのではなく、より低コストの資金にアクセスし、自社のバランスシート(賃借対照表)で融資業務を始めることが求められるでしょう。その方法の1つとして、銀行免許の取得が考えられます。また、既存銀行がカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)やバリューチェーンの改善に向けてテクノロジーに多額の投資を行っているため、ネオバンクにとって差別化が難しいことも大きな課題となっています。一方で、世界にはクレジットカードを持っていない人口が約28億人(うち50%が新興国に居住)、銀行口座を持っていない人口がさらに約15億人(うち75%が新興国に居住)いるため、ネオバンクは金融アクセスの拡大において重要な役割を果たすと考えられます。

レポートではその他、規制当局やフィンテック企業、既存企業が今後取るべき対応や戦略について解説しています。BCGニューヨーク・オフィスのマネージング・ディレクター&シニア・パートナーで、レポートの共著者であるDeepak Goyalは次のようにコメントしています。「フィンテックの発展はまだ初期段階にあり、金融サービス産業に革命を起こし続けるでしょう。金融に関わるカスタマーエクスペリエンスは依然として改善の余地があります。世界の人口のうち、銀行口座、あるいはクレジットカードを持っていない状態にある多くの人々に対して、テクノロジーによる新たなユースケースが飛躍的に開拓されています。全てのステークホルダーが、この好機を捉えなければなりません。規制当局は動向を積極的にリードし、既存企業はフィンテック企業と連携して自社のデジタルジャーニーを加速させるべきです」

[注1]貸出、預金、決済、投資・ウェルスマネジメント、金融インフラ等
[注2]自らは銀行免許を持たず、主にモバイルで決済や融資、送金、キャッシュフロー管理などの金融サービスを提供する企業
[注3]住宅ローン金融

■ 調査レポート

Global Fintech 2023: Reimagining the Future of Finance

■ 日本における担当者

緒方 賢太郎 マネージング・ディレクター & パートナー
BCG Xにてデジタル戦略のデザインをリードする。BCG金融グループ、マーケティング・営業・プライシンググループのコアメンバー。
早稲田大学政治経済学部卒業。コロンビア大学経営学修士(MBA)。株式会社ジェーシービーを経てBCGに入社。その後、トランスコスモス株式会社で上席常務執行役員を経て、2019年にBCGに再入社。

■ QEDインベスターズについて

QED Investors is a global leading venture capital firm based in Alexandria, Va. Founded by Nigel Morris and Frank Rotman in 2007, QED Investors is focused on investing in disruptive financial services companies worldwide. QED Investors is dedicated to building great businesses and uses a unique, hands-on approach that leverages its partners’ decades of entrepreneurial and operational experience, helping companies achieve breakthrough growth. Notable investments include AvidXchange, Betterfly, Bitso, Caribou, ClearScore, Current, Creditas, Credit Karma, Flywire, Kavak, Klarna, Konfio, Loft, Mission Lane, Nubank, QuintoAndar, Remitly, SoFi, Wagestream and Wayflyer.

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 小川・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。