" "

仕事で移住したい国1位はオーストラリア、日本は6位、BCG調査

イノベーション・デジタルの取り組みが他国に比して日本の魅力に

印刷用のPDFはこちら

【参考資料】

(本資料は、2024年4月24日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ボストン/デュッセルドルフ発、2024年4月24日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、The Network、Stepstone Groupと共同で、日本を含む188カ国、15万人以上の労働者を対象に国外への移住に関する動向を調査したレポート「Decoding Global Talent 2024」(以下、レポート)を発表しました。調査は、2014年、2018年、2021年に続き今回が4回目で、労働者が仕事で国外へ移住する意欲や移住したい国・都市について分析しています。

世界の労働者の4人に1人が積極的に国外での就職を希望

調査では、回答者の23%が積極的に国外での就職を希望しており、特に若年層、および人口が急増している国の出身者にその傾向が強いことが明らかになりました。また、仕事で移住したい国を尋ねたところ、オーストラリアが1位で最も人気が高く、次いで2位が米国、3位がカナダという結果になりました。日本は6位でした(図表1)。都市別では、ロンドンが1位で、2位がアムステルダム、3位がドバイとなり、東京は9位でした(図表2)。

国外へ移住したい理由を尋ねたところ、「経済的な理由」と答えた回答者は64%、「職務経験などキャリア上の理由」が56%で、グローバル人材が主にキャリア向上を目指して移住していることが明らかになりました。

日本に移住したい理由で最も多いのは「就業機会の質」

日本に移住したいと回答した労働者にその理由を尋ねると、「就業機会の質[注1]」が68%と最も多く、次いで「生活の質や気候」が61%、「治安」が52%となりました。他の国に比べ、「治安」(52%)や「イノベーションとデジタル化」(50%)を理由に挙げる回答者が多いことがわかります(図表3)。

BCG東京オフィスのマネージング・ディレクター&パートナーで、組織・人材グループの日本リーダーを務める竹内達也は「日本は魅力的な就労先として世界第6位であり、特に全体傾向に比して『イノベーションとデジタル化』を理由とした回答が目立って高い傾向があります。安定した社会・生活環境に加え、キャリア機会の魅力にも直結するイノベーション・デジタルの取り組みは、日本が優秀な外国人労働者を惹きつける差別化要因として注目に値します」とコメントしています。

労働者は雇用主に対して移住や入社のサポートを強く希望

また、回答者の10人中8人が住居(79%)やビザ・労働許可証(78%)の支援を、半数以上が転居(69%)や語学・研修(54%)の支援を求めていることが明らかになりました。この結果から、国外に移住する労働者が、雇用主に対して、移住や入社のサポートを行い、国際的で包括的な文化を培うよう強く期待していることがわかります。

BCGデュッセルドルフ・オフィスのマネージング・ディレクター&シニア・パートナーであり、HRエクセレンス部門を率いるイェンス・バイアーは次のように述べています。「他国は素晴らしい人材の供給源になり得えます。しかし、国外の人材を確保するルートを確立するには、雇用主が人材の採用や異動、チーム編成などの方法を根本的に見直す必要があります。そして企業は、これまで選択肢に入れていなかった市場や地域で人材を探す必要があるかもしれません。政府もまた、このプロセスにおいて重要な役割を果たします。政府は、雇用主が必要とする人材を自国に招き入れるための政策、インセンティブ、枠組みを確立しなければなりません。何百万人という海外へ移住する意欲を持つ労働者の前向きなエネルギーをうまく活用すれば、雇用主も国も、大きな競争優位性と成長の源泉を獲得できます」

[注1] 「職業の安定性、スキル向上、職業適性が見込めること」と定義。

■ 調査レポート

Decoding Global Talent 2024

■ 調査概要

日本を含む世界188カ国の男女を対象にオンラインで実施。回答者の過半数を20~40代が占め、約4分の3は学士以上取得者。

  • 実施時期: 2023年10月~12月
  • 回答者数: 15万735人

■ 日本における担当者

竹内 達也 マネージング・ディレクター & パートナー
BCG組織・人材グループの日本リーダー。
東京大学教養学部卒業。同大学大学院総合文化研究科修士。ドイツ銀行を経て現在に至る。

坪井 淳 パートナー & アソシエイト・ディレクター
BCG組織・人材グループのコアメンバー。
神戸大学大学院経営学修士(MBA)。総合系コンサルティングファームなどを経て現在に至る。

■ The Networkについて

The Network is a global alliance of more than 70 leading recruitment websites committed to finding the best talent in over 150 countries. Founded in 2002, The Network has become the global leader in online recruitment, serving more than 2,000 global corporations. The recruitment websites in The Network attract almost 200 million unique visitors each month. For more information, please visit www.the-network.com.

■ The Stepstone Groupについて

The Stepstone Group is a leading global digital recruitment platform that connects companies with the right talent and helps people find the right job. The Stepstone Group connects more than 130 million job applications with around 140,000 employers every year. With its integrated platforms, The Stepstone Group simplifies the candidates job search as well supporting recruiters with AI-powered solutions for the entire recruitment process. In 2023, The Stepstone Group generated revenue of around €1 billion. The Stepstone Group operates in more than 30 countries—including Stepstone in Germany, Appcast in the US, and Totaljobs in the UK. The company is headquartered in Düsseldorf, Germany and employs around 4,000 people worldwide. For more information: www.thestepstonegroup.com/en.

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 小川・中林・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。