" "

世界のマーケティング責任者の半数が「コンテンツ作成」に生成AIを活用~BCG調査

今後は「パーソナライゼーション」、「インサイト創出」、「予測分析」での活用に注目

印刷用のPDFはこちら

【参考資料】

(本資料は、2024年6月12日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ボストン発、2024年6月12日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、アジア、ヨーロッパ、北米におけるさまざまな業界の最高マーケティング責任者(以下、CMO) 200人を対象に生成AIに関する調査を実施し、その結果に基づくレポート「How CMOs Are Shaping Their GenAI Future」(以下、レポート)を発表しました。

78%のCMOが生成AIの自社への影響を楽観視している

CMOを対象に「将来生成AIが自社に与える影響」について聞いたところ、多くの回答者がポジティブな意識を持っていました[注1]。「楽観的である」と回答したCMOは78%に上り、「(生成AIの効用を)確信している」が75%、「関心がある」が65%でした(図表1)。
昨年と比較すると、生成AIに対して肯定的なCMOが増えている一方で、生成AIに対して「拒絶感」を示すCMOも増加(6%ポイント増)しています。

70%以上のCMOは生成AIが創造性やブランドボイスに与える影響を懸念

ソーシャルメディアの管理は、生成AIによる大きな変革が最も起きやすい領域とみられます。CMOの半数が生成AIを「コンテンツ作成」に活用していると回答しました(図表2)。特に、ソーシャルメディア広告のコピーや画像のドラフトを作成する際に使用されています。一方で、生成AIがつくるコンテンツの質について、70%以上のCMOが創造性やブランドボイス(ブランド独自のコミュニケーションスタイル)への懸念を感じています。ブランド独自のコミュニケーションを実現できる手法を導入するにあたって、CMOの約半数が感情的なつながりと創造性を維持する目的で生成AIに特化したスキルを持つ人材を採用しています。

「パーソナライゼーション」は時間を要するが、最も大きな成果をもたらす可能性がある活用領域

「パーソナライゼーション」は、2023年の調査で67%のCMOが取り組みを始めていると回答し、最も広く導入されていたユースケースでした。しかし、2024年の調査では「取り組みの規模を拡大させている」と答えたCMOの割合が低く、すぐに成果を得にくい分野と考えられます(図表2右下部分を参照)。生成AIは、パーソナライゼーションに必要なコンテンツのバリエーションを増やすことには役立ちますが、各顧客に対して取るべきアクションを導くことはできません。企業は、従来型の予測AIを組み合わせることで、ターゲットに対し、どのコンテンツが適切か、どの順序で、どのチャネルで提供すべきかを把握する必要があります。

レポートの共著者であり、BCGのパーソナライゼーション領域のグローバルリーダーを務めるシアトル・オフィスのマネージング・ディレクター & シニア・パートナー、マーク・エイブラハムは次のようにコメントしています。「ほとんどのCMOが生成AIをすでに活用し、一定の成果をあげていますが、最も成長が期待される活用領域はパーソナライゼーション、インサイト創出、予測分析でしょう。これらの領域は難易度が高く時間を要しますが、生成AIのインパクトを自動化から顧客体験の革新に転換できた企業は、生成AIから多くの利益を生み出すことができます」

[注1]回答者は「生成AIが自社に与える影響」に対する意識を「楽観的」「確信」「関心」「無関心」「不安・懸念」「拒絶」から上位3つを選んだ

■ 調査レポート

How CMOs Are Shaping Their GenAI Future

■ 関連する過去のプレスリリース

世界のマーケティング責任者の70%が生成AIをすでに自社のマーケティングに導入~BCG調査」(プレスリリース、2023年6月29日)

■ 日本における担当者

阿川 大 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGマーケティング・営業・プライシンググループの日本共同リーダー。消費財・流通グループ、および組織・人材グループのコアメンバー。
京都大学法学部卒業。イエール大学国際関係論修士、および経営学修士(MBA)。日興シティグループ証券株式会社、BCGニューヨーク・オフィスを経て現在に至る。

梅田 由記 パートナー
BCG マーケティング・営業・プライシンググループの日本共同リーダー。
慶応義塾大学商学部卒業。パナソニック株式会社を経てBCGに入社。その後、株式会社東ハト、株式会社資生堂を経てBCGに再入社した後、AI関連スタートアップでマーケティング責任者を務め、現在に至る。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 小川・中林・福井
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。