職場におけるインクルージョンがバーンアウトを半減させる
【参考資料】
(本資料は、2024年6月11日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)
ボストン発、2024年6月11日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、日本を含む8カ国、11,000人の労働者を対象に職場のインクルージョンとバーンアウト(燃え尽き症候群)の相関関係を調査したレポート「Four Keys to Boosting Inclusion and Beating Burnout」(以下、レポート)を発表しました。この調査では、「インクルージョンの実感」と、それを促す「職場における要因」を特定するBCGのツール「BLISSインデックス」[注1]を用いて分析しました。
女性やLGBTQ+などはバーンアウトを経験した割合が最大26%高い
バーンアウトとは、日本語で「燃え尽き症候群」と呼ばれ、それまで熱心に仕事をしていた人が、突然やる気を失ってしまうことをいいます。調査では、回答者の48%が現在バーンアウトに悩んでおり、特に女性やLGBTQ+、障がい者、デスクレスワーカーはバーンアウトを経験した割合が最大26%高いことが明らかになりました(図表1)。一方、従業員が職場でインクルージョンを感じると、バーンアウトに悩む割合が半減するという結果も出ており、バーンアウトとインクルージョンに密接な相関関係があることがわかります(図表2)。
インクルージョンの実感に影響を与える4つ要素
調査によると、従業員のインクルージョンの実感に最も影響を与える要素は、(1)充実した福利厚生、(2)経営層のサポート、(3)直属の上司との心理的安全性、(4)公平で平等な成功の機会の4つであることがわかりました。この4つの要素に焦点を当て、従業員と適切なコミュニケーションを図り、職場における取り組みを見直すことで、従業員のインクルージョンの実感を高め、バーンアウトを減らすことができます。
レポートの共著者でBCGのマネージング・ディレクター&パートナーのガブリエル・ノヴァーチェクは「インクルージョンへの取り組みで重要なのは、継続的に従業員の声に耳を傾け、彼らが抱える課題と向き合うことです。インクルージョンを高めるには、従業員からの要望に対応することと、上司との日常的なやり取りを確保することの両方が重要です」とコメントしています。インクルージョンを高めるために適切な対策を立てることで、従業員のバーンアウトに関連するコストを低減し、従業員の企業へのエンゲージメントを高め、貴重な労働力を確保することにつながります」
[注1]BLISS=Bias-free, Leadership, Inclusion, Safety, and Support。「包摂性の実感」を、できるだけ主観を排除して数値化することを目的に開発した。調査を基に、職場におけるどういった要素が包摂性の実感を高めるのかを分析。1~100で表され、スコアが高いほど包摂性の実感が強い
■ 調査レポート
「Four Keys to Boosting Inclusion and Beating Burnout」
■ 調査概要
2023年10月に、日本を含む8カ国、約11,000人のパートタイムおよびフルタイムの従業員を対象に従業員意識調査を実施。
■ 日本における担当者
竹内 達也 マネージング・ディレクター & パートナー
BCG組織・人材グループ、および金融グループの日本リーダー。保険グループ、およびテクノロジー&デジタルアドバンテッジグループのコアメンバー。
東京大学教養学部卒業。同大学大学院総合文化研究科修士。ドイツ銀行を経て現在に至る。
折茂 美保 マネージング・ディレクター & パートナー
BCG社会貢献グループの日本リーダー。パブリックセクターグループ、および気候変動・サステナビリティグループのコアメンバー。
東京大学経済学部卒業。同大学大学院学際情報学府修士。スタンフォード大学経営学修士(MBA)。
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 小川・中林・福井
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com
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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。