カーボンニュートラル実現に向けた取り組みや、サステナビリティ関連のプロジェクトを加速
(本資料は英国で発表された報道資料の抄訳です)
ロンドン発、2021年3月25日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、2021年11月に英国グラスゴーで開催される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の「コンサルタンシー・パートナー」就任を発表しました。
「気候変動・サステナビリティセンター」へと拡充
COP26とのパートナーシップ締結に伴い、BCGは、従来の「気候変動対策センター(Center for Climate Action)」を拡充し、「気候変動・サステナビリティセンター(Center for Climate & Sustainability)」へと刷新します。全世界の550名以上のBCGエキスパートを結集し、気候変動およびサステナビリティに関する取り組みを加速していきます。
気候変動・サステナビリティセンターは、カーボンニュートラル、気候イノベーション、トランジション・ファイナンス、生物多様性、廃棄物管理、循環型経済、持続可能な農業、水資源管理、その他のESG関連のトピックなど、あらゆる分野のサステナビリティに関する専門知識を活用し、クライアントを支援します。
これまでのBCGの取り組み
BCGは2019年に気候変動対策センターを立ち上げました。当初は主にエネルギーや産業財の企業を対象としていましたが、現在では幅広い業界のクライアントと協働しています。これまで300社以上のクライアントと、750件の気候関連プロジェクトに取り組んできました。
BCGは、昨年9月に「2030年までにカーボンニュートラルを実現する」ことを宣言しました。このなかで、自社の温室効果ガス排出量を削減し、自然を活用したソリューションと工学的なソリューションの双方を通して大気中の炭素を除去するとともに、政府、産業界、NGO等と連携した気候変動対策、環境保護活動に今後10年間で4億ドルを投資することを発表しています。
BCGの調査によると、パリ協定の目標の70~80%は既存の技術で達成可能(注1)です。また、世界の主要なサプライチェーンの完全な脱炭素化のために最終消費者が追加で負担するコストは、わずか1~4%程度に抑えられると試算しています。しかし、世界経済の50%は自然に直接的に依存しており(注2)、脱炭素化への移行に必要な資金調達や、企業や業界の変革を通して地球を保護するためには、今後30年間で100兆〜150兆ドルの投資が必要(注3)です。
COP26とのパートナーシップ
本年11月に英国グラスゴーで開催されるCOP26では、パリ協定と国連気候変動枠組み条約の目標に向けた行動を加速させるため、締約国が一堂に会します。
コンサルタンシー・パートナーとしてのBCGの役割は、WEF(世界経済フォーラム)、WWF(世界自然保護基金)、TED Countdown、SBTi(Science Based Targets Initiative)、CDP(Carbon Disclosure Project)などとのパートナーシップを通じて、世界的な気候アジェンダの形成を支援する取り組みを補完するものです。
BCGのCEO、リッチ・レッサーは次のように述べています。「私たちは気候変動との戦いにおいて重大な岐路に立っており、ネットゼロへの道筋を見つけることは最も緊急性の高い課題です。取り返しのつかないダメージを回避するためには、パリ協定の目標に沿って2030年までに世界の排出量を半減させ、2050年までにネットゼロを達成する必要があります。これは簡単なことではありませんが、企業にとっては、持続可能な競争力を獲得するための必須条件であると同時にチャンスでもあります。COP26は、企業、政府、社会が断固とした行動をとるための世界的な動きのなかで極めて重要な節目であり、私たちがそこで役割を果たすことができるのは光栄なことです」
COP26のアロク・シャルマ議長は次のようにコメントしています。「ボストン コンサルティング グループをCOP26のパートナーに迎えることができ、うれしく思います。環境への影響を低減し、脱炭素化を推進する企業が増えていますが、BCGもネットゼロの実現を宣言し、SBTを設定することで脱炭素化に貢献しています。私たちがCOP26に向けて前進を続けるなかで、今後数カ月の間、BCGとともに仕事ができることを楽しみにしています」
注1:The Economic Case for Combating Climate Change (September 2018)
注2:The Biodiversity Crisis Is a Business Crisis (March 2021)
注3:GFMA and BCG Report on Climate Finance Markets and the Real Economy (December 2020)
■ 日本における担当者
丹羽 恵久 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGパブリックセクターグループの日本リーダー。ハイテク・メディア・通信グループ、社会貢献グループ、および組織・人材グループのコアメンバー。
慶應義塾大学経済学部卒業。国際協力銀行、欧州系コンサルティングファームを経て現在に至る。
折茂 美保 マネージング・ディレクター&パートナー
BCG社会貢献グループの日本リーダー。パブリックセクターグループ、ハイテク・メディア・通信グループ、およびコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのコアメンバー。東京大学経済学部卒業。同大学院学際情報学府修士。スタンフォード大学経営学修士(MBA)。
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・嶋津・福井
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com
BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。
BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。
日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。