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イノベーション企業ランキングトップ50を発表~BCGイノベーション調査2023

不確実性が増すなかでも、約8割の企業が優先課題上位3項目にイノベーションを挙げる

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【参考資料】

(本資料は、2023年5月23日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)

ボストン発、2023年5月23日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、イノベーションに関するレポートの最新版、「Most Innovative Companies 2023: Reaching New Heights in Uncertain Times」(以下、レポート)を発表しました。今回は17回目となります。

最もイノベーションに優れた企業: イノベーション企業ランキング 50社

レポートには、世界の経営層約1,000名へのイノベーションに関するアンケート調査の結果やTSR(株主総利回り)などを基に、イノベーションに優れた企業を選出した「イノベーション企業ランキング トップ50」を掲載しています。日本企業は、ソニー(31位)、日立製作所(33位)、NTT(47位)の計3社がランクインしています。2022年はテクノロジー企業への逆風が強まったにもかかわらず、トップ10のうち5社をテクノロジー企業が占めています。またエネルギー企業がトップ50に5社ランクインしており、エネルギー企業が気候変動に対する創造的な解決策の一端を担うという期待を反映しているとみられます。

世界の企業の約8割が、2023年の優先課題の上位3項目にイノベーションを挙げる

世界経済の不確実性は増しているにもかかわらず、イノベーションは企業の最優先課題であり続けています。レポートによると、調査対象企業の79%がイノベーションを2023年の優先課題上位3項目の1つと位置づけています。66%がイノベーションに関する支出を増やす予定と答え、うち42%が支出を10%以上増やす予定です。前回の景気後退期である2009年の調査では優先課題上位3項目にイノベーションを掲げた企業は3分の2以下、支出を増やす予定と答えた企業は58%に過ぎませんでした。

レポートでは、不確実性が高まるなかでイノベーションを起こすために注力すべきことの1つとしてM&Aの活用を挙げています。調査によると、「イノベーションの準備ができている企業(持続可能なインパクトをもたらす製品やプロセス、ビジネスモデルのイノベーションを実現するための開発準備を整えている企業)」は、そうでない企業に比べM&Aを積極的に活用しています。新しい技術やプロセスへのアクセス、イノベーションを起こす能力を持つリーダーや従業員の獲得などを目的とするものです。

企業が最も大きく投資している技術はAI 

AIはイノベーションの可能性を急速に広げています。調査によると、61%の企業が2023年にAIと機械学習に投資すると回答しています。これは投資対象の技術として2番目に回答が多かった「ロボティクスとプロセスオートメーション」よりも15%ポイント高い数字です。

AIに投資する企業の83%が1つ以上のユースケースでイノベーションをサポートするためにAIを体系的に導入していますが、それをビジネスインパクトにつなげることができている企業は45%にとどまっています。これらの企業は、他の企業の5倍以上のアイデアを生み出し、2倍以上のMVP(Minimum Viable Product:必要最低限の機能を備えたプロダクト)をインキュベート(考案・開発)しています。 AIを導入することでより多くのアイデアを生み出すことができ、アイデアが多いほどAIの最適なユースケースを見つけられる可能性が高まります。先行する企業は、この好循環をつくり出していると言えます。

レポートの共著者でBCGコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのグローバルリーダーを務める木村亮示は次のようにコメントしています。「イノベーションと成長、そして優位性の関係性はかつてないほど強くなっています。イノベーションを優先課題と位置づけ、行動する準備を整えている企業は、今後もリードを広げ、大きなリターンを得るでしょう」

■ 調査レポート

「Most Innovative Companies 2023: Reaching New Heights in Uncertain Times」

■ 調査概要

世界各国の広範な業種の経営幹部を対象に、イノベーションに優れた企業や自社のイノベーションへの取り組みについて訊ねた調査。初回は2004年に実施し、17回目となる今回は約1,000名から回答を得ている。調査は2022年12月と2023年1月に実施した。
ランキングの作成にあたっては、企業のパフォーマンスを以下の4つの項目で評価し、スコアの平均を取った。

  1. 全回答者からの得票数
  2. 自社の業界からの得票数
  3. 異業種からの得票の多様性指数(ハーフィンダール・ハーシュマン指数)
  4. 2020年1月1日から2022年12月31日までの3年間のTSR(株主総利回り、自社株買いを含む)

■ 日本における担当者

木村 亮示 マネージング・ディレクター & シニア・パートナー
BCGコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのグローバルリーダー。ハイテク・メディア・通信グループ、およびトランスフォーメーショングループのコアメンバー。
京都大学経済学部卒業、HEC経営大学院経営学修士(MBA)。国際協力銀行を経て現在に至る。

ロマン・ド・ロービエ マネージング・ディレクター & パートナー
BCG Xアジア・パシフィック地区リーダー兼北東アジア地区の共同リーダー。BCG産業財グループのグローバルリーダーシップチーム、およびコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのコアメンバー。
パリ第9大学経済学部卒業。HEC経営大学院修了。米国の投資銀行、BCGパリ・オフィスを経て、2019年1月よりBCG東京オフィス勤務。

栗原 勝芳 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGコーポレートファイナンス&ストラテジーグループの日本共同リーダー。金融グループ、および保険グループのコアメンバー。
東京大学経済学部卒業。株式会社大和証券グループ本社、外資系コンサルティングファームを経て現在に至る。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 小川・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。

日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。