Covid-19 Consumer Sentiment Survey - JP

BCG、新型コロナウイルスに関する消費者意識調査を実施:経済的不安感、消費動向は世代により異なる

消費者は「家庭生活重視」の価値観へシフト、インフレ実感も行動変容は限定的

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経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、日本全国の18歳以上の消費者8,000人以上を対象に、2022年8月、新型コロナウイルス感染症拡大による消費者意識の変化に関する調査「BCG COVID-19 消費者心理調査」を実施しました。この調査は感染拡大直後の2020年に8回行っており、今回で9回目となります。その結果の一部をご紹介します。

新型コロナへの不安感は大幅に減少、消費者の価値観は「家庭生活重視」へと変化

新型コロナに対する不安感については、2020年8月に実施した調査で「まだ最悪の事態は脱していない」「景気後退が起きる」という回答がそれぞれ48%、72%だったところ、今回の調査では28%、51%と各約20ポイント減少しました。再度の感染爆発を警戒する声も前回の64%から12%へと大幅に減少しています。また、「感染拡大以降に以前より行うことになったことは何ですか」という質問に対し、「家にいる時間を増やす」と回答した人の割合が最も高くなるなど、感染症の流行を契機に消費者の価値観が「家庭生活重視」へとシフトしたことが示されました(図表1)。これには在宅勤務の増加が関係していると考えられますが、家事分担の見直しについては男女で意識にギャップがあり、女性の負担は依然として軽減していないことも明らかになっています。

デジタル化は一定進展するも、定着状況はまだら模様

調査では、生活習慣をめぐる項目を「コロナにより強制された習慣」「コロナを契機に定着する習慣」「定着/離脱が併存する習慣」「減少傾向にある習慣」の4つに分類し、消費者の回答に基づいて、今後習慣化していくと考えられる項目を洗い出しました。「キャッシュレス決済」「アプリでの銀行取引」「ECサイトの訪問・購入」といった利便性が重視される習慣は今後も定着していく一方、「オンライン授業」や「ビデオ通話」のような、対面でのコミュニケーションが重視されるものは定着しないと予想しています。

現役世代では経済的な不安感が増加、Z世代・シニア世代では若干の改善

現役世代(ミレニアル~X世代[注1])で経済的な不安を感じているという回答は6割以上にのぼり、2020年の調査から3~6ポイント増加しました。Z世代・シニア世代の経済的な不安感は改善しています。ただし実際の消費動向については、消費マインドが回復しつつあるシニア世代も、コンビニから百貨店の利用まで全体的に消費を減らす傾向にあります。

直近の物価高については、多くの消費者が物価上昇を実感も、行動変容は限定的

食品・飲料、アパレル・ファッション、住居等、すべてのカテゴリーにおいて、7割前後の消費者が「直近で価格が上がったと感じる」と指摘しました(図表2)。しかし、そのように指摘した消費者のうち大半は「変わらず購入している」と回答しており、低価格な商品に切り替えるなどの行動をとっている消費者は少数にとどまっている傾向が見られます。このことから、多くの消費者が物価上昇を実感しながらも、行動変容は限定的であることがうかがえます。

調査を担当したBCGのパートナー、紀平 啓子は「消費者の反応を踏まえ、国内外の多くの企業とプライシングについて議論する機会が増えています。インフレが続く諸外国と比べ、価格据え置きが是とされてきた日本企業にとっても、戦略的な価格設定は重要な課題になっていることを感じています。また、調査を通じ、消費者の価値観がシフトしていることを実感しました。これを支えているのは在宅勤務の導入など、働き方の変化と考えられます。一方、働き方のフレキシビリティは増しても、女性に負担がかかる状態は続いており、改善に向けた政府や企業のさらなる努力が望まれます」とコメントしています。

[注1]調査では、Z世代を18~28歳、ミレニアル世代を29~45歳、X世代を46~58歳、シニア世代を59歳以上とした。

■ 調査資料

POST COVID-19の消費者心理を読み解く

■ 調査概要

全国の18歳以上の男女を対象にオンラインで実施

  • 実施時期: 2022年8月1~3日
  • 回答者数: 8,579人

■ 関連調査資料

新型コロナウイルスに関する消費者意識調査の関連プレスリリース、論考は以下をご参照ください。
https://www.bcg.com/ja-jp/press/bcg-japan-covid-19

■ 担当者

津坂 美樹 マネージング・ディレクター & シニア・パートナー
BCGマーケティング・営業・プライシンググループの創設者。同グループに加え、消費財・流通・運輸グループなどのコアメンバー。
ハーバード大学政治学部および東アジア研究学部卒業。ハーバード大学経営学修士(MBA)。BCG東京オフィスに入社後、ニューヨーク・オフィスを経て現在に至る。

森田 章 マネージング・ディレクター & パートナー
BCG消費財・流通・運輸グループの日本リーダー、マーケティング・営業・プライシンググループのコアメンバー。
慶應義塾大学理工学部卒業。同大学大学院理工学研究科修了。IT関連企業の起業・経営、外資系コンサルティングファームを経て現在に至る。

紀平 啓子 パートナー
BCG消費財・流通・運輸グループ、およびマーケティング・営業・プライシンググループのコアメンバー。
早稲田大学法学部卒業。同大学大学院法学研究科修了。テレビ東京ブロードバンド株式会社、グリー株式会社を経て現在に至る。

■ 本件に関するお問い合わせ

ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。

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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。