【参考資料】
(本資料は、2022年5月25日にスイスで発表されたプレスリリースの抄訳です)
ダボス発、2022年5月25日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、2022年5月に開催された世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)において、ファースト・ムーバーズ・コアリション(以下、FMC)のメンバーとして、2030年までに10万トンの炭素を除去するコミットメントを発表しました。
FMCは枠組みを拡大、BCGがナレッジパートナーとして支援
FMCは2021年11月の第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で発足した、WEFと米国のジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)が主導するイニシアチブです。環境問題を解決する技術「クリーンテクノロジー」の早期市場創出を目指しています。FMCに参画した企業・政府は、「鉄鋼」「海運」「トラック輸送」「航空」などの分野に関する脱炭素技術や製品を2030年までに購入することを約束しています。大企業が大量の購入を約束することで、CO2排出削減が困難な分野において、脱炭素に向けた需要を喚起することがねらいです。
BCGはFMC発足時からメンバーに加わり、ナレッジパートナーとしてコミットメントの策定などを支援しています。FMCは今回のダボス会議で枠組みを拡大し、日本(注1)、インド、イタリア、ノルウェー、シンガポール、スウェーデン、英国が戦略パートナー国として新たに参画しました。現時点で世界の大企業50社以上が参画しており、その時価総額の合計は8.5兆ドルを上回ります。また、イニシアチブの対象となる分野として、「二酸化炭素除去(CDR)」と「アルミニウム」が加わりました。
BCGは取り組みを強化、炭素の回収・除去、貯留技術に資金を提供
BCGはFMC発足時のコミットメントで、航空会社とのパートナーシップの下、2030年までに従来のジェット燃料の少なくとも5%を、持続可能な航空燃料(SAF)(注2)で代替する、もしくは脱炭素技術を使用してカバーすることを約束しています。今回は取り組みを強化し、「CDR」の分野でコミットメントを発表しました。2030年までに大気中から10万トンの炭素を回収・除去する技術、および回収した炭素を最短1,000年間貯留する技術に資金を提供します。
BCGは2030年までにネットゼロを実現すると宣言しており、今回のコミットメントはその一環です。炭素除去に関しては、これまでに締結したBreakthrough Energy Catalyst、Carbon Direct、クライムワークス、NextGen CDR Facilityとのパートナーシップに基づいて遂行します。BCGのCEO、クリストフ・シュヴァイツァーは次のようにコメントしています。「FMCの発展は、脱炭素技術の加速を促す重要なサインになります。そうした技術の効果はすでに証明されていますが、2050年までに世界全体でネットゼロを達成するためには、技術の導入を迅速に推進していく必要があります。また、多くの政府パートナーが新たにFMCに参画したことも心強く思っています。私たちが喫緊に必要としているクリーンテクノロジーの早期の普及には、官民の協力が不可欠です」
(注1)経済産業省ニュースリリース「カーボンニュートラル達成に必要な技術の初期需要創出のため、グローバル企業が購入をコミットするプラットフォーム「First Movers Coalition(FMC)」に戦略パートナー国として参画します」(2022年5月24日)
(注2)従来のジェット燃料と比較し、燃料のライフサイクル全体での温室効果ガス排出量(ライフサイクルGHG排出量)を85%以上削減できる
■ 日本における担当者
佐々木 靖 マネージング・ディレクター & シニア・パートナー
BCG日本支社長兼北東アジア総責任者。
慶應義塾大学経済学部卒業。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修士(MSc)。INSEAD経営学修士(MBA)。株式会社日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て、現在に至る。
丹羽 恵久 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGパブリックセクターグループ、気候変動・サステナビリティグループの日本リーダー。
慶應義塾大学経済学部卒業。国際協力銀行、欧州系コンサルティングファームを経て現在に至る。
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com
BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。
BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。
日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。