データ&アナリティクスの活用により、プライベート・マーケットに勝機
(本資料は米国で発表された報道資料の抄訳です)
ボストン発、2021年7月8日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、グローバルアセットマネジメント・レポートの2021年版「Global Asset Management 2021: The $100 Trillion Machine」(以下、レポート)を発表しました。
2020年末の世界の運用資産残高は前年比11%増の103兆ドル、日本でも11%増
2020年末の運用資産残高は103兆ドルと推計され、2019年の93兆ドルから11%の増加となりました(図表)。BCGは資産運用市場と運用会社の動向についてまとめたレポートを毎年発行しており、運用資産残高が100兆ドルを超えたのは、19回目となる今回の調査が初めてです。調査対象のほぼすべての地域で2桁の増加がみられ、日本でも11%増、6.5兆ドルを記録しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響が広範に及んだにもかかわらず、特に個人投資家からの堅調な資金流入と市場の好調なパフォーマンスにより、業界全体の運用資産残高が増加したとみています。ただ、コスト圧力と手数料率の低下により、収益全体に占める営業利益の割合は34%と昨年と同水準でした。新規流入資金は、年初の運用資産残高の3.1%と推計され、過去10年間の平均を上回りました。
データ&アナリティクスの活用で、プライベート・マーケットに勝機
新規流入資金と市場の成長に支えられ、パッシブ商品の運用資産残高は前年から17%増加しました。このトレンドは今後5年間継続し、2025年までに年平均9%の成長が見込まれています。従来型や特化型のアクティブ商品の運用資産残高も拡大しましたが、レポートでは、こうした商品の今後数年間の成長は限定的だと予測しています。
2020年はオルタナティブ商品が再び好調に推移し、運用資産残高は前年から11%増加しました。オルタナティブ商品の運用資産残高ベースのシェアは15%程度ですが、業界全体の収益の40%を占めるに至ったと推計されます。なかでもプライベートエクイティ、不動産、私募債などのプライベート・マーケットでは、今後数年間にわたり成長や変化が予想されるため、レポートではこの市場を深く掘り下げて分析しています。個人投資家向け市場に首尾よく参入し、データ&アナリティクスを活用して投資意思決定の質を高め、有効なESG指標を統合させることができた運用会社にとっては、プライベート・マーケットは大きな勝機になるとみています。
また、パンデミックにより運用会社は事業全体の変革を迫られましたが、なかでも販売手法の改革はもっとも優先すべき領域だと指摘しています。レポートの共著者でBCGボストン・オフィスのマネージング・ディレクター & シニア・パートナー、サイモン・バートレッタは「次世代の販売手法は、先進的なデジタル技術と人による対応をうまく組み合わせたものになるでしょう。私たちは、デジタルチャネルに投資した運用会社が早期にめざましい成果をあげるのを見てきました」とコメントしています。
■ 調査レポート
「Global Asset Management 2021: The $100 Trillion Machine」
■ 日本における担当者
陳 昭蓉 マネージング・ディレクター & パートナー
BCG金融グループの日本リーダー。保険グループ、コーポレートファイナンス&ストラテジーグループ、マーケティング・営業グループ、およびオペレーショングループのコアメンバー。台湾師範大学数学学科卒業、東京工業大学経営工学専攻博士課程修了(Ph.D)。台湾松下電器、BCGプラハ・オフィスを経て現在に至る。
栗原 勝芳 マネージング・ディレクター & パートナー
BCGコーポレートファイナンス&ストラテジーグループの日本共同リーダー。金融グループ、および保険グループのコアメンバー。
東京大学経済学部卒業。株式会社大和証券グループ本社、外資系コンサルティングファームを経て現在に至る。
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 直江・福井・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com
BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。
BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。
日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。