BCGヘンダーソン研究所(BHI)
BCGヘンダーソン研究所(BHI)では、リーダーシップは考え方から始まる、また、行動の前にアイデアがある、と考えています。私たちは、先見性のあるリーダーが次のゲームを形作るのに役立つアイデアや刺激を提供します。
By Sam Karita, Yusuke Sakurai, Tomoki Isogai, Takumi Shintani, and Yuri Mukai
日本が2030年とその先に向けて経済成長とウェルビーイングを高いレベルで実現するためには、企業がグローバル競争力を向上させることが欠かせません。しかし、1980年代に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた絶頂期以降、日本企業は長きにわたって苦しみ、「失われた30年」から脱しきれず今に至ります。急速に変化する世界情勢の中で、グローバルのリーディング・ポジションをどのように奪回・確立できるのでしょうか。日本企業がめざすべき「Future Winning Model」について、前後編に分けて考察します。
前編: 「日本企業の競争力の現状と成功の必要条件」全文を読む
後編: 「日本企業の特徴と強み、未来に向けた成功要件」全文を読む
シリーズ前編にあたる本論考では、日本企業の競争力低下の実態と原因について、直近5~10年間を中心に分析しています。TSR(株主総利回り)、主要財務指標、投資面で欧米企業に劣後している状況を押さえた後、BCGおよびBCGヘンダーソン研究所(BHI)独自のデータソース等から浮き彫りになる日本企業の現状を明らかにします。そのうえで、これまでの日本企業とグローバル企業を比較する中で見えてきた、日本企業がグローバル市場で勝つための第一歩として必要な最初の条件である「5つのグローバル標準の成功要諦」について論じます。
日本企業の直近5年間のパフォーマンスを見ると、欧米企業、さらには中国企業にも劣後する要素が目立ちます。株主価値創造、財務指標、資産・投資の観点から、日本企業の競争力の実態に迫ってみましょう。
日本企業が第1章で見てきた状況を打破し、グローバル競争力を高めるには、何が必要となるでしょうか。BHIでは、これまで蓄積してきた経験や調査結果をもとに、これまでの上位のグローバル企業と日本企業の差分、かつ、日本企業が取り組むべき最初の一歩として、次の5つの成功の要諦を抽出しました。
これらを解説するとともに、この5つのレンズを通じて、日本企業の現状の充足度や欧米企業とのギャップについても整理してみましょう。
グローバル標準の要諦をおさえられていない日本企業が多い一方で、中には成功の要諦を穿つ施策で競争優位性を築いているベストプラクティスが存在します。また、そうした企業は、日本ならではの特徴を強みへと進化させることで、さらなる優位性を構築しています。後編では、「5つのグローバル標準の成功要諦」に沿って日本企業のベストプラクティスをご紹介した上で、十分条件となる「日本ならではの5つの特徴の強みへの進化」と、将来の成功に必要となる「2030年に向けた5つのFuture Requirement」を論じます。
本論考のデータの詳細は別冊データブックをご覧ください。
別冊データブックはこちら
BCGの戦略シンクタンクとして、アイデア創出に有効なテクノロジーを活用し、ビジネス、テクノロジー、科学分野からの新しい価値あるインサイトを探求・開発しています。ビジネスリーダーを巻き込んで、ビジネスの理論と実践の境界線を広げ、ビジネス内外から革新的アイデアを取り入れるための刺激的なディスカッションや実験を行っています。2022年7月に日本における拠点であるBHI Japanを設立しました。
Read More
BCGエキスパートによる関連する論考などをご覧ください。
BCGヘンダーソン研究所(BHI)では、リーダーシップは考え方から始まる、また、行動の前にアイデアがある、と考えています。私たちは、先見性のあるリーダーが次のゲームを形作るのに役立つアイデアや刺激を提供します。
「グローバル標準の成功要諦」を押さえて競争優位を築いている日本のベストプラクティス企業は、日本企業に認められる特徴を独自の強みへと進化させています。長期的なトレンドを踏まえた「未来に向けた成功要件」も考察したうえで、Future Winning Model実現のためになすべき4つのアクションを提示します。
BHI Japanは、AIとロボットが融合した「インテリジェントロボット」を日本における生産性向上、優位性構築の切り札ととらえ、その事業としての展開と活用について考察を進めてきました。本稿では、日本が特に注力すべき領域を明らかにしながら、考えうる具体的な活用例を業界ごとに解説します。
BHI Japanでは、日本に住む人々、特に未来を担う若年層にとってのウェルビーイングとは何かを探るため、独自の消費者調査を設計・実施しました。その結果を踏まえ、企業が目指すべき「ウェルビーイング経営」の在り方を考察します。
BHI Japanでは、企業、そして社会の課題解決という観点でメタバースが持つ可能性を研究しています。本稿では、その初期の成果として、メタバースが社会をどう変えていくのか、企業はこの機会をどう活用できるのかを、包括的に、かつ具体的なヒントを交えて解説します。