『戦略にこそ「戦略」が必要だ』
成功する企業は、適切な戦略アプローチを選択し、組み合わせ、効果的に実行して、さらに環境の変化に応じてダイナミックに調整する、という課題にうまく対応しています。この適切な戦略アプローチの組み合わせを、私たちは「戦略コラージュ」と呼んでいます。今日の複雑性が高くダイナミックな環境で、戦略コラージュに生命を吹き込むために、リーダーには以下の8つの重要な役割が求められます。
外向きの視点で継続的に、事業部門・地域・機能などそれぞれのユニットの環境の予測可能性、改変可能性、苛酷さの度合いを診断し、各ユニットに最適な戦略アプローチを判断します。
必要程度に細かく、それでいて、複雑になりすぎないよう、適切なレベルで組織のセグメンテーションを行い、各ユニットがそれぞれの環境に最適な戦略アプローチをとれるよう組織構造を編成します。
継続的に環境の診断や組織のセグメンテーションを見直して、組織の硬直化を防ぐとともに、必要に応じ戦略アプローチの調整や変更を行います。
戦略コラージュの各セルのマネジメントに適した人材を能力に応じて選び、彼らが戦略パレットに習熟するよう知識・思考力と経験の両面から支援します。
投資家や従業員に対して戦略的選択の全体像を明快でわかりやすいストーリーで説明します。
よい質問を投げかけることで――答えを指示するのではなく――個々の戦略アプローチに適したコンテクストをつくり上げ、各アプローチに特有の重要な思考の流れを促します。
事業部門・地域・機能などそれぞれのユニットが変化する環境に調和している状態を常に保つために、継続的に外の環境を観察し、重要なシグナルを大きく取り上げます。
特に、求められるアプローチが変わったとき、求められるアプローチに馴染みがないとき、あるいは、求められるアプローチへの抵抗が予想されるとき、選び抜いた重要な取り組みを後押しして、その実行を加速させます。